【出会い系サイトの体験談】母乳の出るメンヘラ娘(後編)
- 2015/11/19
- 出会い系体験談
- 2 comments
(前回の続き)
「ゆきさんですか?」
「はい」
待ち合わせ場所にいたのは、凛とした顔立ちの小柄な美しい女性。アップテンションな文章からは想像もできないほどのおとなしめの子だった。ロングのしなやかな黒髪は、女性なら誰もがうらやむ美しさがあった。
席に座った彼女の、チェックのシンプルなワンピースの裾から、透き通るような白い足が、小さな膝小僧がのぞいている。
きっと高価なブランドものだろう。靴も繊細なデザインのパンプスだった。
ぼくとは大違いの、それはもう素敵な服装だった。
待っている間に黒蜜宇治抹茶ミルクを飲んでいた彼女は「もう甘いものはたくさんです」と言った。さてどうしたものか、行き先に困った。
これからどうしたい? と彼女に聞く。
彼女は買い物に付き合ってほしいと言った。
新宿で、出会い系サイトの女と恋人気分でデート
新宿を歩く。
人形の店、デザイン家具の店、輸入食器の店、アンティークの洋服やアクセサリーの店、雑貨屋。
ぼくなんかよりも、よほどこの界隈(かいわい)に詳しい。
どちらかというと主導権は彼女にあって、言われるがままついていくだけだったが、不思議と嫌な感じはしなかった。
ぼくらは次第に打ち解けていった。
「かたつむりはね、6時間もキスするんだって。そうしてかたつむりは受精して卵を生むの。キスで子供ができるって素敵でしょう」
歩きながら、彼女は嬉しそうにぼくに耳打ちする。キスっていっても絡ませるのは舌じゃなくて交尾器なんだけどな……。
古書店では、エログロのハードカバーを手に取り、キャッキャと騒ぐ。
奥から店主が出てきて言った。
「何か御用ですか」
「いえ、見てるんです」と彼女。
結局、棚に戻す。
途中立ち寄った新宿伊勢丹のマ・ランジェリーで素晴らしい下着を見つけたらしく、ランジェリーコンシェルジュなる人と話し込む。フィッティングも含めて1時間半は滞在した。そうして、お気に入りをお買い上げ。
歩いていると、突然「疲れた、休みたい! もう歩きたくない、抱っこして」と子供のように駄々をこねるので、しかたなく西口のネットカフェ「Booth」で休憩。
店内で、やはり子供のようにはしゃぐ。そういう一面もあるのかと驚く。
座ったオープンシートでシンプルなワンピースを着た彼女が無造作に立て膝をするものだから、「パンツが見えてるよ」と苦笑い。スカートのまま躊躇(ためら)わず木登りをする子供のようだった。
出会い系サイトで出会った女と、その日に何もない……ということはよくある話
「次の人待たせてるの」と、スマホの画面を眺めながら彼女は言った。
「行かなきゃ、だよね」
時間切れ、である。
気付けば時刻は夕方で、この先、期待するような展開もないだろうと思っていたが、現実として目の前に突きつけられると徒労感は拭(ぬぐ)えない。そういえば、最初の返信があったとき、他の人と会う約束があると言っていた。そのことか。
まあ、今となってはどうでもいい。ぼくのデートタイムはこれで終了なのだから。
かわいい子の買い物に付き合ってデート気分を満喫できた。それで十分じゃないか、と自らを慰める。出会い系サイトで初日にセックスを取りこぼすことは残念ながらよくあることなのでへこまない。
店内は心地よくざわついていた。
「あともう少しだけ、ここにいるね」
有希はこちらをうかがうように言った。
「そうだね、そろそろ」と答えるぼく。
彼女は小さな肩をぼくにちょこんとくっつけて甘えてきた。ぼくはそれだけでも十分満ち足りた、幸せな気分になれた。
終わりがけに時計を見上げたときのことだった。突然、テーブルの上に買ったばかりの色っぽい下着が飛び出してきた。
「これから行きませんか」
ええ? と思う。その唐突さに異様なものを感じる。
薄々は気づいていた。出会い系サイトではこの手の女性は珍しくないとも云えるが、このタイプの「本物」をみたのはこのときが初めてだった。
彼女のようなタイプが持つ衝動性は、なんというか、正気を失わずにいるためのぎりぎりの代償のようなものなのかもしれない。
母乳の出るメンヘラ娘
ぼくらはホテルにいた。
下着姿でベッドに横たわり、長い間、薄暗いラブホテルの天井をふたりで見つめていた。入室してから数時間が経過。セックスはまだ、していない。
ふいに彼女はポツリと言った。
女「◯◯さんと私はかたつむり」
男「かたつむり?」
ああ、そうかと納得した。彼女はキスを求めているのだ、と。
寄り添い、キスをする。
女「足りない……、ぜんぜん足りないです」
彼女はそう言って泣き顔になった。
男「もっと? こう?」
女「うん」
上目遣いでキスをせがむ有希は本当に可愛らしかった。
女「そろそろ受精したかな」
男「(受精)したかもね」
女「私ほんとうは知ってる。かたつむりじゃないからキスじゃ受精しないんだよ!」
男「うん……」
女「ねぇ、したい?」
男「セックス?」
女「うん、そう」
男「本当は、したいよ」
女「じゃあ、しよ」
彼女はぼくに先にシャワーを浴びると言い、その場で下着を脱ぐと、浴室に行った。眼前には彼女の、無造作におかれた黒のパンティがあった。
抑えきれない衝動に駆られて、彼女のパンティをつまんで慎重にひろげる。
黒いナイロンが股間に喰い込む部分、女性の最も魅惑的な部分を覆い隠す布地に目がいき、そこを汚している白い、ねっとりした薄めた糊(のり)のような液体を見た。
嗅ぐと、少しおしっこの匂いがした。
有希の股は、デートの最中から、こんな液で汚れていたのだ。
戻ってきた彼女は、袋から買ったばかりの白のレースの下着を取り出した。そうして、後ろ向きになり、ブラ、次いでパンティを片足立ちで慎重に身に付けた。
女「この下着、今日のために買ったの」
男「そうなんだ」
女「(セックス)するって決めてたから……」
彼女のことがたまらなく愛おしくなったぼくは、彼女を抱きかかえ、ベッドに連れていった。純白のブラジャーの上から乳房に頬をすり寄せ、そのままブラジャーをずらして乳首に吸い付くと、ほんのり甘い味がした。
口を離すと、先端から薄い乳白色の液がじわりと滲み出してくるのが見える。
母乳!?
少し生臭く、血の味がする。
デパスやドグマチールといった精神科薬には乳汁分泌という副作用があるのは知っていた。おそらくメンヘラーの彼女はそういう薬を飲んでいるのだろう。めったにない経験なので、無心で心ゆくまで吸い付き、味わった。
ぼくのはじめての母乳体験だった。
彼女は足を固く閉ざしていたが、ぼくが促(うなが)すと大きく脚を開いた。パンティの脇から陰唇がちらと見えた。
両手で白い太腿を押し上げると、有希は自ら片手でパンティをずらした。
合わさった花びらは薄く、しっかり閉じている。色はきれいなピンク色だ。陰毛も薄く控えめで、まるで少女のようだった。湿った匂いを胸いっぱいに深呼吸してから、そろそろと舌を這わせていった。
花びらを舐め、舌を中に潜り込ませていく。
薄暗がりのなか、白くはっきりみえる下着を取り去った。ぐったりした有希の股をひろげさせ、ひざを立てさせ、その中心に仰角に勃起した先端を割り込ませた。
「痛い……」
と彼女は呻(うめ)いた。
なぜだかわからないが、ぼくは痛がる様子を見てあせっていた。
身体をよじって起き上がろうとする彼女に体重をかけて覆いかぶさり、両手で尻をわしづかみにして、さらにペニスを押し込んでいく。
有希はかすかな悲鳴をあげた。それでもゆっくりと腰を動かし始めた。
「痛い、痛い」
彼女の声は震えている。
男「やめようか?」
女「嫌よ。そのまま中で出して」
そう言って彼女は、ぼくの首に手を回し、首をあげてぼくにくちづけした。
次の日の朝、久しぶりに仮病を使って会社を休んだ。まだ、もうしばらく彼女と居たいと思ったのだ。
電話を切り、彼女を探すと、彼女は浴室で体を流していた。すっかり油断している。
ちらっとその様子をスマホで撮る。
すぐにデータをしまい込んだ。
「だめー」という声が後ろで聞こえた。
「◯◯さんにすっぴんを撮られた。大失敗だ。どうして、ひどいよ。えーん」
戻ってきた彼女は、ベッドのうえでしばらくジタバタしていた。
ぼくらは、昼過ぎまでゴロゴロして、それから解散した。新宿駅の改札を抜けて反対側の階段を上って消える時、彼女は小さく手を振った。
結局あのとき、ホテル代の手持ちが足りなくて、残りは彼女に出してもらったっけ。いまでもその時のことを思い出すと、ぼくの心のなかはぱっと明るくなる。
出会い系サイトの出会いも悪くない。そう思えるのはこういう記憶に残る出会いがあるからだと思う。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
あいさん、コメントどうもー。文章が読みやすい──これは最高に嬉しいですね。
現在このサイトの更新はお休みしていますが、こちらでは活動中です。
https://fabulous-r30.jp/
よろしければぜひ!
文章が読みやすいので2回も読んでしまいました。
後味の良いストーリーですね。
こういう出会いをしてみたいです。
心の中がぱっと明るくなるっていうのがなんかこう、すごくいいです。