(前回の続き)
渋谷文化村通りの緩やかな坂を上って、「SHIBUYA CITY HOTEL」が見えたら脇道に左折。直進するとすぐに左手に小さな看板がみえるはずだ。
渋谷で最大級のハプニングバーといえばもうお分かりかもしれない。
「あれ、もしかして○○○(ハプニングバー名)のことですか?」
あっけらかんとメグが言った。
チョイスを誤ったか? そう思いながらも冷静を装い、「そう、そう。もしかして来たことあるとか?」と聞く。
「ううん。知ってるだけです」
ほっ……。ただの耳年増かよ。(この子、知識はすごいけども経験が伴っていない)
受付で料金を払い、店内へ。
ここは新規単独男性だと総額24,000 (入会金 7,000円とチャージ料金 17,000円)がかかるが、カップルで行くと、チャージ料金がほぼ半額の8,000円になる。
手首にカップルか単独かを判別するテープをまいてもらい、ロッカールームに直行。荷物を預けた。
店内でハプニングの確率を高めるには?
ハプニングの確率を高めるには、店内の淫靡な雰囲気に馴染んでしまうことだ。コスプレはその有効な手段のひとつだと思う。ついでながらいうと、ここは店員のサポートが抜群にいい。あたかもそれがあたりまえのように誘導してくれるのだ。
目の前のメグは、店内貸出し衣装のチャイナドレスに着替えていた。自然とため息が出た。なぜならお世辞抜きに似合っていたからだ。
ストレートに”かわいい”と伝えると、「えー、ヤダ。隠れたいよ」と言う。
とりあえず彼女を連れて、壁際に移動。安っぽいスツールに腰を据え、ほかの客を観察する。週末で店内は混雑していた。
「どうします……か?」
上目遣いに聞いてきた。
屈託のない笑顔。そのすさまじい破壊力。
二人組のサラリーマンがこちらにチラチラと視線を送っている。さっさと来ればいいのに、お互い知り合いだからか遠慮しあっている。まあどうせ来ないだろうと思っていると、来た。
「すみません。ご一緒していいですか?」
ぼくが返事するよりも早く、メグが返事した。
「いいですよー」
ちょっとした屈辱。まあしょうがない。
4人でソファ席に移動。
サラリーマン2人組はぼくらを囲むような形で座った。
すぐ隣に座った男はぼくを完全に無視してメグにばかり話しかけている。
初めてですか? とかどこで知ったんですか? とかどういうお知り合いですかとか……。ひとことで言うと会話がツマラナイ。彼女をみると、愛想笑いと、適当な相づちでごまかしている。
メグの隣に座った相方は、絶好のポジションなのにもかかわらず、沈黙を続けていた。やっぱり遊び慣れていない男は最悪だなと思った。
別に悪い人たちではなさそうだったけど、目的のためにはただの障害でしかなかった。
「じゃあ、そろそろこのあたりで。他の人ともしゃべってみたいんで、すみません」
そう言ってぼくはメグの腕を掴んで立ち上がった。
ハプニングは自分で起こすもの?
誰がいったいハプニングを演出してくれるんだ? 店内に入店してから2時間ちかく経って、いまだに何も進展がないことに焦っていた。
(自分でハプニングを起こす? いやいや、それはない。ぼくが無理やり3P持ちかけて失敗したら後が無いからだ)
カウンターで酒を注文していると、女性二人を連れた20代くらいのイケメン男性が来た。
手首のテープをみると、どうやら単独男性らしかった。本命の彼女なら絶対に会わせたくないタイプの男だ。メグの反応は、というとまんざらでもなさそうだ。
イケると確信。
イケメン単独男性Sを3pに誘う
「連れが気になってるみたいなんで、あとで一緒に話しませんか?」
彼は一瞬驚いてこっちを見たが、すぐに「いいっすよ。ぜひ!」と爽やかに返してくれた。
会話のコツ?
ソファ席で待っていると、彼は来た。仮にSとしておこう。
まずは乾杯
Sはメグの顔を見てニコッと笑った。
そうして軽く挨拶。
「はじめまして」
それから、「元気?」と続けた。
「ちょっとね……」と答える彼女。すかさず「ええ? どうして?」と返す。メグはそれに対して答えはじめる。
とくに何のひねりもない会話なのに、彼のトークには、さっきのサラリーマンのトークとはあきらかに違う何かがあった。
会話が動き出すってこういうことだと思う。
女の子との会話の中身なんて、じつはどうでもいいのだ。初対面でうまく話題を見つけることなんて、ハナからできるわけがない。”笑い”もないよりはあったほうがいいけど、よしもと芸人みたいなマシンガントークとかお笑いのセンスはとくに必要ない。何が重要かというと「共感」しあうことではないか。
こちらから話題を提供しようとするからあせるし、思いつかない。だったら話題は相手から引き出せばいい。
店内の隅で、さっきのサラリーマン二人組がこちらの動向をうかがっていた。目が合うと、彼らは会釈してきた。
気づかないフリをする。
プレイルームのほうが静かで話しやすいって……
ドリンクを注文しに行くというSを追いかけた。
Sは待ってましたとばかりに「このあと、どうします?」と言った。
とくに何も考えていなかった。出てきた言葉は「彼女が抱かれるとこ見たいんで、気にせずに口説いちゃってください。構わないです」というもの。
「自信ないけど、やってみます」といってSは先に戻った。
席に目を遣る。Sは早速口説いているようだった。すぐに帰ると邪魔になりそうなので、トイレで時間稼ぎ。
もしかしたら……とかなりドキドキしながら戻ると、こちらが嫉妬するくらいに二人の距離が縮まっていた。
男「あー、すみません。トイレに行ってました」
S「メグちゃんと話しまとまったんで、プレイルームに移ります。彼氏さんもぜひ来てください」
男「あ、まじっすか……行きます。えっと、メグちゃんいいの?」
女「そのほうが静かで話しやすいって……」
おそらく何をするところなのかはわかっているはずだった。
あはは。勃ってる
2階のプレイルームへ3人で移動。
「じゃ、あまり長いとシラケちゃうんで脱いじゃいましょう」とSが言う。
さもそれがあたりまえのように言うあたりがニクい。
じつはこのとき、普段ありえない状況にかなり興奮していた。当然、股間はフル勃起状態だ。今日会ったばかりの彼女に、いきなりおっ勃ったモノを見せるのはかなり恥ずかしかったが、いっきにズボンとパンツをずり下げた。
メグはぼくの股間を見て「あはは。勃ってる」となぜか嬉しそう。Sはというと、ボクサーパンツ一枚だった。
「気が早いっすね」と苦笑い。
あああ、気持ちいいー
「じゃあ彼氏さん、見ててください」
そう言ってSは彼女の背後にまわると、慣れた手つきでチャイナ服を脱がせた。ぺろん、と。
形のいいおっぱいだった。後ろから手を回し、彼女のおっぱいをぼくに見せつけるように鷲掴んだかと思うと、乳首をコリコリと刺激したりと交互に繰り返している。
それが終わると彼女の手を掴み、ぼくの陰茎を握らせ、しごくように命令した。
「簡単でいいですか?」と彼女。
ぼくの陰茎を握りしめて、硬さや大きさを確かめるように両手で擦ったりした。
「お手玉みたい」
そう言って、手のひらでやんわりと握り、中の二つの睾丸を転がす。ひとしきり終わると、そこから仰向けになり手コキ開始。
あまり期待していなかったが、これがなかなか上手かった。しかも全員がその日に会ったばかりなのに3Pプレイしているという興奮度MAXの状況である。
目を閉じていると、つい「あああ、気持ちいいー」と声を出してしまった。
ここに来るまでは、喫茶店で彼女の話を”よき理解者”という顔で聞いていたのに、「いま、おっぱい触ってもいいかな?」とか情けないことまで言ってしまい、手を伸ばしておっぱいの片方を触りながら、あえなく発射。
Sはというと、四つん這いで手コキしているメグの股間に鼻を埋(うず)めて攻め立てている。
それが終わると、「先に試しますか?」とS。
「あっ、いえ。お先に」
じゃあ、と言って彼はメグを仰向けにし、ゴムを着けたモノを彼女の割れ目に突き立てた。彼女の端正な顔がブサイクに歪んでいくのを見るのは不思議な感覚だった。
その後、男二人で繰り返し彼女のなかに侵入した。
店を出て、「どうだった?」と聞く。
「うーん、もういいかな」と彼女。ずいぶんとつれない態度である。
別れ際、「ありがとうございました。優しい人でよかったです」と言う彼女に気の利いた台詞も出ず、「うん。じゃあ、これからもがんばって」としか返せなかった。
女は顔よりも愛嬌だと思うよ
今回のハプバー体験を終えてみてやっぱり思うのは、女は顔よりも愛嬌だよね、ってことだ。多少ブサイクでも情の深い女のほうが、ヤッていて断然楽しい。キレイな子は、街を歩いている分には優越感に浸れていいのだけどね。
まあこれで、ハプバー入場料1万円と、喫茶店の代金1,000円未満、それに出会い系のメール送信代200円程度の出費と考えると安いものだが、さらにぼくは思い出しオナニーをして、単価を下げるという作業を続けている。
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